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都市空間の炭素排出量のシミュレーションとまちのデザイン
―多様な現場経験生かしてミクロ?マクロ両面からカーボンニュートラルに挑む

  • 7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 11. 住み続けられるまちづくりを
  • 13. 気候変動に具体的な対策を
  • 17. パートナーシップで目標を達成しよう
  • 2023年2月 8日
    • 工学部
    • 研究
都市空間の炭素排出量のシミュレーションとまちのデザイン<br>―多様な現場経験生かしてミクロ?マクロ両面からカーボンニュートラルに挑む

 理工学研究科(工学野)の吉田友紀子助教は、大学では建築を学んだあと国立環境研究所に入職したという経歴の持ち主。そこで建築と地球温暖化対策とをつなぐミッションを課されて孤軍奮闘してきた経験が、気候変動やカーボンニュートラルへの社会的関心が急速に高まる中で、吉田助教のキャリアを切り拓くきっかけとなりました。

 その後は大学でキャンパスの省エネのマネジメントを担当したり、まちづくりの設計事務所で公共施設のプロポーザルに関わったりといった実務を積み重ねながら、建築物や都市における炭素排出量の可視化やシミュレーションの技術を確立。そして、20214月に澳门英皇娱乐_澳门赌博现金网-官网の教員として着任しました。

 これまでの経験と知見をもとに、さまざまなアプローチから企業や自治体との共同研究を進めています。
 たとえば名古屋市などを対象としたケーススタディでは、街区の形状を抽出した上で、建物の容積?表面積や気象データに基づく建物の熱流入量、照明などの室内環境設定、さらに人口密度やヒートアイランド現象といった要素をパラメータとしたモデルを用いて、1kmメッシュでエネルギー効率をシミュレーションしました。こうした可視化の技術は、今後の持続可能な都市開発においては必須となります。

 さらに、一般的にイメージされる都市や建物に留まらず、自動運転技術が普及した未来の社会では、住空間としてのモビリティ(自動車)という視点も出てくるはずです。この視点に立った、大手自動車メーカーのバイオフィリック空間評価では、VR技術を用いて室内緑化による快適性の効果など測定する試みなども手掛けています。

 地元である茨城の大学に着任した現在は、キャンパスのある日立市や、工場が集積する鹿行地域におけるカーボンニュートラルのためのまちづくりにも関わり、また、学会等を通じた発信活動にも積極的に取り組んでいます。

吉田教授

担当者

理工学研究科(工学野) 助教 吉田友紀子
研究者情報