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食品ロス削減のための具体的な行動ができる消費者を学校教育で育てる

  • 2. 飢餓をゼロに
  • 12. つくる責任 つかう責任
  • 2022年12月21日
    • 子ども
    • 教育学部
    • 研究
食品ロス削減のための具体的な行動ができる消費者を学校教育で育てる

 日常生活で食品ロスを削減するための具体的な行動ができる消費者を学校教育でどう育てるか―その課題に対し実践的に挑み、研究している教員がいます。教育学部の石島恵美子准教授です。

 石島准教授は以前は高等学校の家庭科の教員を務めていました。その当時に抱いた違和感や課題を解消し、授業改善をしたいという思いを胸に日々研究を行っています。

 その一例が、行動性の向上を目標とした問題解決型調理実習を組み込んだ食品ロス学習プログラムの開発。石島准教授は「子どもたちは調理実習が大好きだが楽しいだけで終わってしまい、学びが深まらない傾向がある。一方で消費や環境分野の学習は関心が高まらず、定着しない。この両者を結び付けられないかと考えた」として、授業の計画と高等学校での実証実験、効果検証を行いました。

 具体的には、①「食品ロスを削減するために自分ができることは何か」を考える授業、②ナシを剥いて廃棄率を調べ自分の包丁技能を評価する実習、③通常の調理法で排出された野菜くず等を利用した調理を行って食品ロス削減を体験する実習で構成されるプログラムです。授業の組み立てにあたっては目的と先行研究を踏まえて学習内容を精選し、消費者教育としての体系性を踏まえた問題解決型の調理実習プログラムを構築。効果の検証については、生徒たちへのアンケート調査を行ってその結果をさまざまな手法で分析しました。

 その結果、参加した生徒たちの中に、調理技術を高めたいという個人的な願望だけでなく、「食品ロスを減らしたい」という社会的な動機づけが生まれたこと、また、調理実習でのおいしい、楽しい、簡単にできたという小さな成功体験の積み重ねが、食品ロス削減行動への高揚感につながっていたことが確認されたということです。

担当者

教育学部 准教授 石島 恵美子
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